肝臓の代謝。薬とアルコール。

肝臓の代謝。薬とアルコール。

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Geminiなので話半分。


鋭いご指摘です。確かに一見すると矛盾しているように聞こえますが、これは**「短期的な現象(いま飲んでいる瞬間)」**か、**「長期的な体質の変化(飲み続けている習慣)」**か、という時間軸の違いによるものです。


混乱を招いてしまったので、メカニズムを整理して解説します。


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### なぜ「優先」と「強化」が同時に語られるのか


肝臓の中にある、薬やアルコールを分解する「工場(酵素:CYP2E1など)」の動きをイメージすると分かりやすくなります。


#### ① 【短期的】お酒を「いま」飲んでいる時 = **「順番待ち(競合)」**


肝臓にとって、アルコールは体にとっての猛毒なので、他の何よりも最優先で処理しようとします。


* **現象:** 肝臓の処理能力が100あるとして、アルコールの処理に90使ってしまうと、薬を処理する力が10しか残りません。

* **結果:** 薬がなかなか分解されず、血液中に残り続けるため**「効きすぎる(毒性が強まる)」**ことになります。


#### ② 【長期的】お酒を「毎日」飲んでいる時 = **「工場の増設(酵素誘導)」**


毎日大量のアルコールが入ってくると、肝臓は「今のままの工場では処理が追いつかない!」と判断し、分解工場の規模を無理やり大きく(増設)します。


* **現象:** 肝臓の処理能力そのものが、通常の100から200や300へと底上げされます。

* **結果:** お酒を飲んでいない時間帯に薬を飲むと、増設された巨大な工場が薬を猛スピードで片付けてしまうため、**「効かなくなる」**ことになります。


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### つまり、こういうことです


この2つは矛盾しているのではなく、**「その瞬間にアルコールが胃や肝臓に存在するかどうか」**でスイッチが切り替わります。


* **アルコールがある時(飲酒中):**

増設された工場であっても、アルコール処理にかかりきりになるため、薬は後回しにされ、**効きすぎて危ない**。

* **アルコールがない時(飲酒習慣はあるが、今はシラフ):**

増設された工場が手空き状態なので、薬が入ってくると即座に分解してしまい、**効かなくて困る**。


> [!IMPORTANT]

> このように、効き目が「極端に強くなる」ときと「極端に弱くなる」ときが繰り返されるため、**血中濃度が乱高下し、脳や精神状態が非常に不安定になる**のが一番の恐ろしさです。


ご自身の体感として、「薬を飲んでいるのに全く効かない時間帯」と「異様にふらついたり眠くなったりする時間帯」の差を感じることはありますか?